Intimidator 305 - Kings Dominion
●概要
ミレニアムフォースから10年の時を経て2010年に誕生したインタミンギガコースター2作目。そのためMFと比較されることの多いコースターだが、乗り味は全くの別物。大きなエアタイムヒルが3回しか無いという共通点こそあるが、爽快系のMFに対しこちらはハード寄り。激しい切り返しの連続もさることながら、最初に待ち受ける水平ターンがとにかくハード。そのブラックアウト寸前のハードさは、体験した者しか知り得ない…。
●評価
浮遊感 ★★★☆☆
爽快感 ★★★★☆
スリル ★★★★★★
乗り心地 ★★★☆☆
●基本情報
Roller Coaster DataBase参照↓
Intimidator 305 - Kings Dominion (Doswell, Virginia, United States)
公式POVはこちら↓
Intimidator 305 POV in HD - YouTube
●レポート
アメリカに来て1発目、私にとって記念すべき1機目の海外コースター。幾度となく写真で見てきた巻き上げとエントランスを目の当たりにし、テンションが高まります。キューラインは屋根無しで質素な作りですが待ち時間なしでホームゲートまで入れるので気になりません。
車両。モチーフについてはググってみてください。座席について特筆すべきはそのハーネス。ザターンのような硬い材質から、柔らかい布地に変わった初めてのコースターになります。この後、本当に変わってよかったと何度も実感させられることになるのですが…。
熱の入った録音アナウンスと共に90mの巻き上げ。巻き上げるスピードは速いものの、デカすぎるが故にそれほど速さは実感できませんでした。
そしてファーストドロップ。巻き上げが速かったせいか、思ったほどの落下感は得られませんでしたが視覚的に迫力満点の落下。底の手前でブレーキが入るようですが、ブレーキが入った感覚は全くありませんでした。そして、ここの景色がこのコースターでくっきり視認できる最後の景色となるのです…………。
そして待ち受けるは、大半径の…いや、148km/hで通過するにはあまりに小半径の地面スレスレカーブ。ここに突入した瞬間、顔からサッーと血の気が引き、視界がたちまちクリーム色の砂嵐のようなもので埋め尽くされます。いわゆるブラックアウトってやつです。
ブラックアウトするってだけなら他のコースターでも感じ得るのですが、このコースターの恐ろしいところはそれが10秒近く続くということ。キャメルバックに入ると徐々にぼんやりと視界を取り戻すのですが、完全に下りきるまでは意識がふわふわしてしまいます。
他のどのコースターでも真似できない唯一の体験〜、なんて言ってる場合じゃないです。身の危険を感じます。賛否両論あるところですが、僕にはプラス評価に捉える事ができませんでした…。
ようやくブラックアウト状態から解放されると、左ターンの間に挟まれた極小キャメルが。確か浮いたとは思いますが、コースより意識の方がふわふわ浮いてて実感が湧きませんでした…。
それを越えると目玉の連続切り返しゾーンへ(全景がなくて申し訳ありません)。ここら辺からやっとコースターを楽しめる体調に戻り、右へ左へ傾く感覚をしっかり味わえます。プラスGはそこまできつくないはずであるものの、最初のダメージを引き摺って全力で楽しめないのが勿体無いのですが、振り回しによるダメージは少なく、旧ハーネスじゃなくて良かった、と心から思うパートでもあります。
続いてサードドロップにつながるキャメルバック。真上に見える1つ目のキャメルバックと比べて半分程度の高さしかないため、思い切り浮きます。低空走行で溜め込んだストレスを解放する、このコースターで一番気持ちいい時間です。
続くキャメルバックは頂上で右へと舵を切り・・・
そのまま最後の切り返しへ。ここはしっかり痛かったです。
ホップを越えてもなお有り余る勢いのままブレーキ。深呼吸などして欠乏した酸素を隣の樹海から根こそぎ吸い取りましょう。
●総評
大半径カーブのあまりのダメージに、苦手だった小学生の時以来久し振りにコースターに対して恐怖を感じさせられました。私にはこのダメージを許容することができませんでしたが、経験者の中にはこのダメージに惚れ込み閉園間際にリピートするほど気に入る者や、乗車中に気絶したにも関わらず高く評価する者がいたり、はたまた私と同意見の者もいたりと、賛否両論さまざまあるようです。
日本のコースターマニアの皆様にはぜひ、自分で乗ってどっち派か確かめてもらいたいですね。もちろん、高速切り返しやキャメルバックなど良いところもたくさんあります。その辺りも含めて、より多くの日本人コースターマニアから評価と感想を聞いてみたいものです。