Non-Inverting Life

どどんぱ(@ttd22q)のコースターブログです。

Lightning Rod - Dollywood

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●概要

現在世界に4つしかないRMC製トッパートラック(詳細は後述)の一角であり、木製に分類されるコースターの中で世界最速&世界唯一のローンチ機構持ちという個性の塊のようなコースター。加えて、RMCが手掛けたハイブリッドコースターでは珍しく回転エレメントを持たない(処女作のNew Texas Giantを除けば唯一の特徴)。更には、度重なる開業の遅れや2018年シーズンに起きた突然の長期運休&車両リニューアルなど、スペックに飽き足らず営業面でも度々コースター界をざわつかせている。リニアローンチのようにアイデンティティーも加速し続ける…。

 

●評価

  • 浮遊感  ★★★★★
  • 爽快感  ★★★★★
  • スリル  ★★★☆☆
  • 乗り心地 ★★★★☆

 

●基本情報

スペック等はRoller Coaster DataBaseを参照↓

Lightning Rod - Dollywood

 

公式POVはこちら↓

Point-Of-View - Dollywood's Lightning Rod - YouTube

 

●レポート

入園ゲート入って右のラジエータースプリングス感溢れるエリアに立地するライトニングロッド。ネットで幾度となく目にしてきたこの看板と建物を目にしたときの感動たるや…!


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この白い建物の3階部分が駅舎となっており、それより下のフロアはキューラインとなっています。そして、各階をつなぐ階段は全て外付けむき出しになっているため、リニアローンチや4段落ちの様子をまじまじと観察することができる訳です。実際、この外付け階段以外、園内からコースを拝める場所は無いように思います。園内マップからも見切れていますし。


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一応、外階段以外にもこうした小窓がキューライン上に点在しているのですが透明度には期待しないようにしましょう。これから紹介する写真はほとんどが外付け階段から撮った写真ですが、一部窓越しに撮ったものも紛れています。多分秒で見分けがつくかと思います。

 

 

さて、そんなこんなで乗り場まで辿り着いてまいりました。パシャパシャ写真取りまくっていたらあっという間でしたね。70分待ち表記に怯えていたのですが蓋を開けてみれば実測40分。素晴らしい回転率です。


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荷物置き場はこんな感じ。車両が戻ってくる度に上下の蓋がパカパカ交互に開きます。これなら2編成運転でも盗難の心配なし!


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そしていよいよ、夢にまで見たあのイカしたホットロッド風先頭車両とご対面……と思いきやアレ?なんか様子がおかしいぞ?

実はこれ、2018年の夏ごろから発生した長期運休の際に、乗り心地や走行安定の為に一部支柱の木材が取り替えられるなどの改修工事が行われまして、その一環で同年10月の営業再開後から先頭車両もしれっと簡素化されていたようなのです。旧先頭車両は乗り心地に関して少し悪さしていたらしく、一部の現地マニアがマイナス点に挙げていた1stドロップの底の振動がこのリニューアル以降全く感じなくなったとのこと。これ位の変更で乗り心地が劇的改善されたのなら簡素化も全然ウェルカムですよ。牛乳パックみたいでかわいいですしね。

ちなみにリニューアル直後にはついていた丸型ヘッドライトすら、写真のように私が訪れた時には取り除かれていました。いいんですいいんです、乗り心地のためなら。

 


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座席はこんな感じ。他のRMC車両にはない、昔ながらの木製のエッセンスを感じられる細長ヘッドレストがちょこんと付いています。これはリニューアル以前、開業当初から付いているようです。急発進型の宿命でしょうか。でも全然視界を邪魔しないので無問題無問題。むしろチャームポイントですね。


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そうそう、乗車レポートに移る前にこれだけは伝えとかなきゃいけないんだった。このコースターに使われているレールは「トッパートラック(Topper Track)」といい、白鯨その他RMCコースターに使われている オール鉄骨のI-Boxトラックと違って天板部分は鉄製、それ以外の部分は木製となっています。通常の木製コースターもレールと接する部分は鉄板で出来ていますし、捉え方によってはトッパーもその鉄板がちょっと分厚いだけのただの木製レールともいえます(白目)

I-Boxとの明確な違いとして、トッパートラックはちゃんと揺れます。これならrcdbやGTAsで木製扱いされることにも納得です。ただ揺れ方は、木製特有のガタガタした揺れではなく、一般的な鉄製程度でした。もっと言えば、鉄製と並べても揺れの少ない部類に入るくらいの乗り心地です。ちょうど、経年劣化の進む現在のサンダードルフィン程度でしょうか。あくまでスムーズすぎるI-Boxとの対比で少し揺れるんだなって気付ける程度で、最新コースターとしては十分スムーズな乗り味です。ちゃんと揺れるとか脅しておきながら中途半端な結論に着地してごめんなさい。

 




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ようやくここから乗車レポートが始まります。英語アナウンスが分からない私視点では突然前触れなく発進しスルスルと駅舎を出ていく車両。この後の加速を前に緊張感が高まります。


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さあ満を持してこのコースター最大の特徴であるLSMリフトヒルへ。手前のリニア板でぬるっと上り坂まで引き寄せられた後、背中に重力を受けながら徐々に徐々に加速していきます。頂上手前の加速終了地点に達するまで、8秒くらいかけてじわじわスピードが上がっていく感覚はライトニングロッド特有のもの。後日乗ることになるマーベリックのLSMリフトヒルでは感じることのない感覚でした。乗ったことないけど恐竜コースターGAOの1stドロップに近いのかな? 速いなー、まだ速くなるのかー、え、もっと速くなるの!?といった具合。

(7/21追記:速度に関する記載を修正しました。最高速度はファーストの底で出るようです。大変失礼いたしました!)

 

 

そしてその勢いのまま1つ目のコブへ!…といきたいところですが、流石にこの手前では減速ブレーキ。このまま突っ込んだらマイナスGで太ももが壊死してしまいます。前方ではちょうどこのブレーキにあわせてコブに突入するので普通に位置エネルギーで減速したと錯覚するほど馴染んでいるのですが(しかもきれいな浮き)、最後尾だと上り坂の途中で意識しなくても気付くほどはっきり減速してしまいます…。この1点だけがこのコースター唯一のマイナスポイント。逆に言えば、ここさえ我慢すれば最後尾でも最高の体験が待っていますし、先頭にさえ乗れば加速でもその後のコースでも欠点が一切ありません!

 

このコースターの1stドロップは、ええじゃないかのようにふたコブ越えてからのドロップとなっています。ここで特筆すべきは先頭の流れ。ブレーキの影響が少ない先頭は最初のコブでもマイナスGの浮きが。その後のゆるい下り坂部分でようやくブレーキが効き始め、コブとコブの間のくぼみあたりで一旦減速。丁度その頃後部座席が最初のコブを越えて下り坂に入り、それに押し出される形で先頭は2つ目のコブを勢い付けてギュインと上昇!1つ目のコブよりはるかに強い浮きが襲い掛かります!そしてその浮きを維持したまま間髪入れずに90度近いドロップへ。…この流れは何度思い出してもシビレますね〜。

 

1stドロップを終えると90度バンクが付いた大半径カーブへ。浮きも何もないパートですが、ミレニアムフォースの最初のターンのようなプラスGもないため爽快です。結構無理のあるバンクの付け方をしているようですが、乗車姿勢の不自然さは感じられませんでした。

 

続く2つ目のターンは外側90度バンク。あれ、どこかで聞いたことありません?そうです、ここの乗車感覚は白鯨と全く同じといって差し支えないでしょう!ただ白鯨の方が放り出され感は強かった気がするので日本のコースターファンの皆さんご安心ください。

 

こうして2回のターンで勢いを調節したところでいよいよライトニングロッドの本領発揮。これ以降全ての山で激浮きが待ってます。手始めに最初のキャメルバックでは長い長いマイナスGが。不自然にバンクが切り替わろうがお構いなしに浮きます。その後2回の激浮きキャメルバックを経ていよいよ名物4段落ちへ…。

 



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普通の連続キャメルバックって、プラスGとゼロGが連続して構成されてるじゃないですか。違うんですよ、ここのパートは。ゼロGとマイナスGが連続するんですよ。上り坂と下り坂で作らなきゃいけない極小キャメルを、緩い下り坂と急な下り坂で作っちゃっているんですよ。お尻が座席に着き切らないまま浮き続ける体験、それはそれは格別でしたね。

 


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(写真ブレまくりですみません…)

 

麓まで下りてきて重力を取り戻してから1回、小さなキャメルバックを越えるのですがここでも思いっきりマイナスGが。幻の5段目とでも呼ばせていただきましょう。なぜだか印象に残る浮きの1つです。

 


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そして最後の見せ場、上り水平ターンからの尖りの強いキャメルバック。強い遠心力で座席に押し付けられた後、一瞬でプラスGから解放するひねりながらのグイ浮き。ブレーキまでの下り坂も結構な落下感があります。最後尾でのここの浮きは、今までどの浮きにも耐えていた私の後ろポケットのハンカチをいとも容易く吹き飛ばしてしまいました。何だかんだここが最も激しいG変化をしている、という証拠かもしれないですね。恐ろしい。

 


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ちなみに余談なのですが、吹き飛ばされたハンカチはこんな感じに縦長の珍しい形状だったために、後ろに乗っていた同行者からはスマホがひらひら宙を舞ったと勘違いされました…。

 

最後はサンドル的な傾斜のついたブレーキ区間に突っ込みなめらかに停止。お疲れ様でした。

 

 

●総評

他のRMC製と比べ、回転エレメントも無く、バンクによる振り回しも少なく、とにかく激しい浮きに特化したコースターでした。その浮き方はツイステッドティンバーをも超えていましたね。また、通常は意識の向かない巻き上げ区間も、LSMリフトヒルによって確かな存在感を発揮することで数値以上の満足感がありました。何より、ローンチと地の利を活かして、駅舎を出た直後から再び駅舎に戻る直前までスピード感が持続するのがお見事としか言えません!

海外コースターに興味をもつきっかけになった思い出深いコースターだったので、期待を下回ったらどうしようなんて乗る前は心配していましたがとんだ杞憂でしたね。実際に乗車したことで、一層ライトニングロッドが大好きになりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

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…以上が初めての乗車レビュー記事でした。まとまらない文章でごめんなさい。ちょっとこのボリュームで書き続けると終わる気がしない上に飽きられてしまいそうなので、次回からはポイントだけをかいつまんで皆様に伝わりやすいレビューを書くよう心掛けます…。